第1回 ある利用者さんのはなし

以前よりコラムを掲載します!と公言していながら不精なwebmasterは先延ばしにしていました。移転も落ち着き、もう言い訳ができないところまできてしまったのでした!

さてさて、ここで何を書こうか考えていたのですが、このページを御覧になる方の多くはケアマネージャーか利用者さんとそのご家族であろうと思いますので、一番知りたいであろう事柄をずらずらと書きたいと思います。どうぞおつきあい下さいませ。

記念すべき第一回目、利用者さんのMさんのことについて書きたいと思います。
当センターオープン当初より通所している利用者さんの一人です。現在年齢は91歳です!90歳代には全く見えないオシャレな女性です。いつも洋服のカラーコーディネートをして、ファッションセンス抜群です!(ただし、荷物が多い。いつもカゴがいっぱい!)一時期、髪もパープルに染めていました。頭の回転も速く、ユーモアあふれるすてきな女性です。
診断名は脳こうそく後遺症による左片麻痺です。救急病院からリハビリ病院に転院し、後自宅に戻り、当センターに通所しています。私が最初にお会いした時には平行棒での歩行が可能でしたが、なぜか車いすからの起立が出来ませんでした。腰を介助するか、手すりを持って起立していました。発症後はベッド上での寝返りから、歩行まで訓練を進めるのですが、途中を取りこぼしてしまっている利用者さんは結構多く見受けられます。Mさんの場合、ある程度下肢の筋力があったので、ちょっとした指導ですぐに獲得できました。歩行も平行棒の中だけでなく、四点杖歩行の練習も増やしていきました。2か月後には段差の昇降訓練を新たに加えました。Mさんは隣に息子さんの家族がお住まいですが、基本的にはご主人と二人暮らしでした。(ご主人は90歳過ぎてもお元気でしたが、先日残念ながら亡くなりました。)自宅訪問した時に玄関の段差を確認していましたので、段差昇降は必須だと考えていました。当センターでの運動療法は日常生活動作を考慮し、メニューを作成しています。本人の訓練意欲もあり、段差昇降もかなり上手になりました。訓練メニューもある程度決定し、頑張ってこなしていたのですがひざの痛みを訴えたりすることもありました。当センターではマッサージ、鍼、灸治療を施しました。大変気に入っていただけたようで、今でも継続しています。そして、訓練開始から約12か月後、屋外の歩行訓練を実施しました。屋外に出すことで、気持ちの上でもリフレッシュできたと思います。本人もリハビリの成果を実感したようで大変喜んでいました。この時点で、ほぼリハビリはゴールだと思いますが、より安定,維持させるため、また更なる向上のためのリハビリを継続中です。外出する機会も増えてきているようですが無理せずいつまでも元気で通所してきていただきたいですね。

(2003年8月9日)