第28回 運動の指導者

  

 私が定期購読している医療系サイトに日本糖尿病学会で糖尿病の運動療法について論ぜられた記事が掲載されていました。その中で、「運動療法の有効性を支持するエビデンスは多く存在し、糖尿病治療において運動療法が重要であることに疑問の余地はない。しかし、実際には糖尿病患者は60代、70代の高齢者が多く、運動療法の実施が困難な例も少なくない。」と述べられたそうです。生活習慣病対策として、「1に運動、2に食事、しっかり禁煙、最後に薬」という標語があり、運動は最重要視されています。食事に関しては「管理栄養士」、薬に関しては「薬剤師」、禁煙に関しては治療薬の保険適応ということで「医師」とそれぞれ国家資格があるが、運動にはそのような国家資格としての専門家が存在しないことが課題と指摘。そこで注目されたのが「健康運動指導士」であり、それをサポートする形で「健康運動実践指導者」です。国家資格ではありませんが、スポーツクラブや体育館はもちろんのこと、医療法42条施設などでも活躍する認められた資格です。取得するに際し、糖尿病の運動療法を想定したカリキュラムも組まれています。

 私たちは運動療法の指導において、資格は重要であると考えます。ある一定水準以上の知識やスキルが無いと大変危険であり、指導において説得力がありません。当センターには「健康運動指導士」が1名、「健康運動実践指導者」が1名在籍しています。

 当センターのような施設が高齢者の運動療法の担い手となれるよう、私たちは医療との連携を深め、知識やレベルも上げていかなくてはなりません。

(2012年11月30日)