第8回 上肢のリハビリ

久々のつれづれです。今回は上肢のリハビリについてお話ししたいと思います。
脳血管障害の後遺症として上下肢の麻痺があります。教科書などでは約80パーセントの人が歩行の獲得が出来ると言われています。どうしても歩行の獲得を優先してしまうために、上肢のリハビリが遅れがちになってしまいます。ある程度歩行が獲得できた時点でやっと上肢のリハビリ、というケースが多いです。もちろん作業療法を平行して実施している場合もありますが、今の医療制度で何年も医療機関で理学療法、作業療法、言語聴覚療法を継続して行なうことはまずありません。
当センターには医療機関でのリハビリを「終了」した後通所される方がたくさんいらっしゃいます。つまり、発症からある程度時間が経ってから通所される訳です。通常ですと、慢性期にあたりますので著しい改善は見られないとされています。本当に改善しないのでしょうか?当センターでのケースを紹介したいと思います。
昭和28年生まれ女性 平成14年4月、脳出血発症。右片麻痺。様々な医療機関を経て平成15年9月より当センターへ通所。上肢可動域訓練ほかメニューを実施。16年4月より握力計測を開始、最初は5.5キロでした。16年10月には8.5キロまで改善。この頃より日常生活でも右上肢を使えるようになってきたとのこと。そして、先日平成17年4月には10.5キロまで改善しました。今では肘の屈曲もスムーズに動かせるようなっています。1年間で約5キロ握力が増えたのです。彼女よりも私の方がびっくりしているくらい改善してきています。どこまで「進化」するのか楽しみです。今後も経過を観察していきたいと思います。また報告できたら嬉しいなぁ!

(2005年4月22日)